2026/03/31 17:04
こんにちは、Crushの職人です。
前回の記事「コバについて」で触れた「革靴のように手をかける楽しみを革小物にも」というテーマで、具体的なメンテナンス方法をお話しします。
普段から革靴を磨いている方には馴染みのある内容ですが、経験がない方でも簡単に取り組めます。Crushの製品をご自身の手で磨き、育てていく楽しみを知っていただければ幸いです。
今回の構成は、以下の通りです。
1.はじめに
2.Crushのコバについて
3.実践
1.はじめに
Crushでは、「コバの磨き直し」や「金具の修理」を基本的に無料で承っています。お気軽にご相談ください。(送料はお客様でのご負担をお願いいたします。)
さて、今回の主題であるコバのメンテナンス方法ですが、これは単にお手入れの推奨ではありません。「お客様自身が手を動かし、愛情を込めて磨くそのプロセスで、確かな愛着・達成感を味わっていただきたい」という想いから発想したものです。
一般的に、革小物のコバはあまり手をつけるべきではない場所というイメージがあるかもしれません。実際、ブランドごとにコバの仕上げ方は千差万別であり、全てのブランド・製品に共通する正解はありません。
しかし、Crushの製品に限っては、後述する方法でご自身で磨いていけるということを、すべての工程を担う職人として責任をもってお伝えします。もし万が一、実践後に上手くいかなくてもご安心ください。その時は私たちがフォローさせていただきます。共にお客様だけの逸品へ育てていきましょう。

2.Crushのコバについて
具体的な手順に入る前に、少しだけCrushのコバについてお話しさせてください。
イメージは、建築です。
・基礎を打ち、
・コンクリートを流し、
・建物を築く
大まかにこの3段階の工程を経て仕立てています。
私たちが「コンクリート」までの土台を極限まで作り込んでいるからこそ、お客様がその上の「建物(コバの輝き)」を安心して磨き直すことが出来ます。
(※今回は輝きが失われたコバへの対処法です。荒れきっていたり、深い傷がついていたりする場合など、状態に不安がある場合はお気軽にご相談ください。)
3.実践
手順は、革靴の磨き方とほぼ同じです。
【準備するもの】
・SAPHIR Noir(サフィールノワール) ビーズワックスポリッシュ
・塗布用の布(帆布など毛羽立ちのないもの)
・仕上げ用のクロス(メガネ拭きやネル生地など)
(以降、それぞれをワックス、帆布、クロスとします。)
(※私自身革靴を磨くのが好きでして、数多くのケア用品を試した結果、Crushの仕立てたコバに最も適していると確信したのが、このワックスでした。その他のワックスについては全てを確認出来るわけではないので、自己責任での使用をお願いします。)
まず、ワックスを使う前にクロスでコバを素早く乾拭きしてみてください。Crushのコバはロウを溶け込ませているため、摩擦熱だけで輝きが戻る事もあります。コツは「力を入れず、触れるだけ。素早く動かす」に集中することです。それでも輝きが戻らない場合は、いよいよワックスの出番です。
【手順】
①ワックスを帆布に取り、コバに塗り込む。
(3-5分置いてから再度塗る、を計3回ほど繰り返してください。)
②クロスで優しく磨き上げる。
【ポイント】
・①について
ワックスは、布で軽く触れるだけで十分です。コバに塗り込むと一時的に表面が曇りますが、それが正解です。なるべく均一に曇っているとより良いです。指の重みを感じる程度の力加減を意識してみてください。

(ワックスの取り方。私は帆布の上から指で軽く抑えてます。やりやすい方法で大丈夫です。)

(ワックス塗布後。均一に曇っているのが望ましいです。)
・②について
触れていることを確認できる程度のごく軽量な力で、優しく、素早く、摩擦熱を意識して磨きます。①がしっかりしていれば、すぐに深い輝きが浮かび上がります。

(磨いた後。上品な輝きです。)
いかがでしたでしょうか。
輝きを取り戻した瞬間の喜びは、ひとしおです。ご自身の手で磨き上げた製品には、きっと今まで以上の愛着が宿るはずです。
次回は「仕立てる上での細かなこだわり」についてを予定しております。
長くなりましたが最後まで読んでくださりありがとうございました。
